海外ビジネス 歴史や政治を知ることの重要性

ある国の政治や歴史を勉強することは重要

どの国にも、外国人には軽い態度で触れられたくない歴史や政治に関するテーマがあります。

日本で言えば、例えば広島と長崎の原爆投下。あれだけの民間人被害を出したのですから、冗談のネタにしたり、「あなたの国も悪かった」のような軽い扱いをされると、心情的には穏やかではありません。

もちろん他の国にも同様のテーマはあります。

アメリカなら9.11テロやベトナム戦争、ドイツであればナチスや東西分断、中国にも政治体制・領土・民族に関する色々な出来事がありますね。

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政治的な話は慎重に

多くの場合、こういった歴史的・政治的テーマについての知識は、その国なりの解釈の仕方があり、我々外国人が認識している解釈と異なることがよくあります。例えば、アメリカでは原子爆弾の投下のことを「戦争を終わらせた行為」として語られることがあることはご存知の方も多いでしょう。

このような認識の違いは、どこまで議論しても埋まることはまずありません。なので、ビジネスという側面だと、相手との関係性を悪化させることはあっても、良くする方向にはまず行かないのです。

とにかく政治的な話は不用意に踏み込まないほうが良いでしょう。もしかすると、その相手の親族や友人に政治的な事件やテロといった出来事によって亡くなった人や深い傷を負った人がいるかもしれないのです。こういう時はどんな正論も通用しません。

危ういな、と感じたら

なお、かなり頻度は低いですが、自分ではない誰かが政治的な話を始めてしまうこともあります。私は今まで数回ほど、多国籍のメンバーが集まる場で政治的な話題になり、「あー、このままいくとケンカになりそうだな」と感じたことがあります。

前述の通り、こういう話はビジネス的に全く不要。うまくいくものも、うまくいかなくなってしまいます。

そこで、「その事件についてはあまり良く知らないけど」といったん中立的な立場をとったうえで、「政治の話は感情的になりやすいのでやめよう」と率直に言いました。政治の話がケンカになりやすいことはお互い分かってはいるので、少なくとも今までの経験上は、議論はストップしています(その場にいる他のメンバーも「その通り、やめよう」と加勢してくれたりする)。

その国の政治や歴史はできるだけ知っておこう

先ほど、政治や歴史の話になったら「やめよう」と提案すれば良いと書いたのですが、それらを「話さない」ということと「知らない」ということは当然ながら別モノです。

そもそも、その国の歴史や政治について勉強するということ自体が、その国に対する敬意だと私は思っています。このような敬意を持っていることはグローバルに仕事をする上では本当に大切で、それを持っている人なのか、持っていない人なのかは、ちょっとしたことで地元の人は敏感に察知します。

どちらの人に協力的になるかは、言うまでもないですよね。

また、人によっては多国籍チームで働く人もいると思います。例えば、海外事業が日本を上回る規模になっている某大手サービス業の内部監査部門は多国籍チームになっており、日本人に加えて、アメリカ人、中国人、インド人、イギリス人などいろいろな人が集まっています。

こういう状況になってくると、学生の時にはあまり必要性を実感することのなかった世界史(特に近代史)の重要性に、いまさら気づいたりするのです。

NGトピックは他にもある

ここまでは、歴史や政治を中心に話を進めてきたのですが、他にもビジネスの場では避けたほうが良いトピックがあります。ただし、列挙しだすとキリがないので3つぐらいにしておきましょう。

  • 宗教
  • 災害
  • 領土・領空・領海

なお、相手と長い付き合いがあり、かなりの信頼関係が構築できているのであれば、これらのトピックについて話すことも完全にNGというわけではないでしょう。なので、そこまでの信頼関係ができているか自信を持てない場合は、やはりこういうトピックは避けたほうが良いです。

また、仮に信頼関係が構築できていると思っていても、これをきっかけにせっかく構築した信頼関係が崩れてしまう可能性もあるわけです。そう考えると、やはりこういうトピックについて話をするときはかなり慎重になるべきだという結論は変わらないですね。

赴任者研修は語学だけでは足りない

一般に駐在員として海外赴任する際には、語学および生活に関する知識(治安や病気など)の研修を受けることが多いと思います。とはいえ実態は、語学に関しては巷の英会話スクールに会社負担で行かせる、そして生活に関する知識については出発前に何回か社内で研修をするといった程度のことが多いでしょう。

しかし、本来であれば文化的な理解を深める研修はもっと多く行うことが必要で、その中にその国の政治体制や歴史、あるいは軽率に触れるべきではないテーマなどもきちんと含めるべきだというのが私の考えです(場合によっては語学よりも重要だと思っています)。

通常業務をこなしながら赴任準備や引継ぎなどを行う中でこのような勉強をするのはなかなか大変だということはわかるのですが、文化的な知見を深めることは、無用なトラブルを回避し、現地従業員の協力も得やすくなり、駐在員本人にとっても多くのメリットをもたらします。

この文章が、海外人材を育てる際のヒントになればとてもうれしいです。

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この記事を書いた人

Altus Leap(アルタス リープ)代表 
公認会計士 TOEIC975点

日本のさらなる飛躍のためにはグローバル人材の育成こそがカギになるという信念のもと、「英語・ファイナンス・文化理解」をパッケージ化した研修プログラム「Altus Leap(アルタス リープ)」をスタート。
実務に直結したカリキュラム、受講者との徹底的な伴走、そして受講者が日本人であることを強く意識した指導により、海外を「任せられる」人材を完成させます。
研修講師は海外ビジネスに関する豊富な経験を有する公認会計士や弁護士などのエキスパートばかり。クライアントが高く(Altus)飛躍(Leap)するために、人材育成の面から強力なサポートを提供します。

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